SNSを用いた広報戦略で注意したい権利侵害問題について、弁護士が解説!

 

 

【ご相談内容】

当社は広報戦略の一環として、TwitterやFacebook等のSNSに当社用のアカウントを設定し、当該アカウントを通じて情報発信を行うことを決めました。ただ、SNSへの投稿は、いわゆる炎上事例などのリスクもあれば、知らない間に第三者の権利を侵害し、トラブルとなってしまう問題事例もあると聞き及びます。

そこで、企業活動の一環としてSNS上に情報発信する場合の法律上の注意点を教えてください。

 

 

【回答】

インターネットの発達により、今の時代では、誰もが気軽に情報発信できるようになりました。この情報発信者としての地位を得たことは企業の広報戦略にも大きな影響を及ぼしており、企業は従来のメディア媒体に有料で広告掲載を行うこと以外にも、例えば担当者を配置した上で、SNS上に記事投稿することによるブランディングを図るといった選択もできるようになっています

ただ、SNS上の投稿は、第三者(従来であれば媒体社が広告代理店など)のチェックを経ることなく、直ちに全世界に情報発信されることになるため、投稿者は問題なしと考えていても、第三者の権利を侵害していたり、法律違反とまでは言えないものの、閲覧者(読み手側)が不快に感じるなどして問題視されるといった事例が後を絶ちません。

そこで、情報発信に際して、第三者のどのような権利に留意するべきか、以下解説します。

 

 

【解説】

 

1.名誉毀損

 

(1)成立要件

情報発信による法的問題を検討する上では、まず気にする必要があるのが、この名誉毀損の問題となります。特に企業活動においては、他社より自社の商品・サービスが優位であることを示すべく、他社商品・サービスを比較したり意見表明を行ったりしがちです。ただ、どこまでが限界線なのかは非常に曖昧であり、なかなか判別がつかないのが実情です。

<民法第723条>

他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。

 

<刑法第230条第1項>

公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

 

<刑法第230条の2第1項>

前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

 

民法と刑法を併記しましたが、民法の定め方は非常に抽象的であるがために(民法第723条を引用しましたが、最終的には民法第709条の不法行為に問題に帰着します)、刑法での議論を参照した方が理解しやすいため、あえて併記しています。

さて、まず法律上保護されるべき「名誉」について確認しますが、これは、「人が社会から受ける客観的な評価」のことです。具体的には、品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価、すなわち社会的名誉とされています。したがって、自分自身の主観的な評価である名誉感情は含まないことになります。そして、この名誉は個人(自然人)だけではなく、法人(事業者)も対象となります。

このような客観的な評価として名誉を低下させたら名誉毀損になるわけですが、その手段は民法では明確ではありませんが、刑法第230条では「公然と事実を摘示」することが要件となっています。この「事実を摘示」ですが、例えば、「××社の○○は、△△市長に対して賄賂を渡した」という事実を表示することです。そして、こうした表示をインターネット上で表現すれば、誰でも閲覧可能な状態になりますので「公然と事実を摘示」したことになります。なお、前述の通り、民法上は「公然と事実を摘示」したことは明示されていません。しかし、人の社会的評価を低下させる行為を名誉毀損という以上、被害者本人のみならず第三者に向けて社会的評価を低下させるような行動をとったこと(情報発信活動を行ったこと)が前提となりますので、実質的には「公然と事実を摘示」という要件が必要と考えられています。

 

(2)免責要件

上記(1)のとおり、名誉毀損が形式的には成立する場合があっても、情報発信の重要性、つまり憲法上の表現の自由を保護する観点から、刑法上の名誉毀損罪を問えない場面として刑法第230条の2に定められています。なお、この免責要件については刑法上の議論がほぼ民事上の議論に当てはまります。

名誉毀損として責任を負わなくても良いという要件は次のとおりです。

①名誉毀損の行為が公共の利害に関する事実であること

②行為の目的がもっぱら公益を図ることにあること

③摘示された事実の重要部分が真実であること、または真実でないにしても、行為者において真実と信ずるについて相当の理由があること

 

まず、①については典型的には政治・行政に関する事項ですが、それに限られず犯罪や法令違反、社会的に注目を浴びた事実であっても該当すると考えられます。

次に、②については裏返し的な説明になってしまいますが、動機が単なる人格攻撃であったとか、敵対感情であるといった場合には否定されています。

最後に③ですが、真実であるか否かの立証は難しいため、後半部分の「相当の理由」該当性が実務上は重要視されています。この点、インターネットを用いて個人が簡単に情報発信できるようになったことから、従来のマスコミとは異なり、少なくとも個人の情報発信の場面に関しては、この立証のハードルを下げても良いのではないかという議論もありました。しかし、最高裁判所は明確に否定しています。したがって、出展先の分からないインターネット掲示板や個人ブログ、SNSからの情報を鵜呑みにしただけで情報発信した場合には、この要件を充足することはまずあり得ないと考えるべきです。

 

(3)補足~会社がプラットフォーム管理者である場合

本事例のように、第三者が運営管理するプラットフォームを用いて情報発信を行う場合、企業としても、名誉毀損とならないよう細心の注意を払いながら情報発信することになるかと思います。

もっとも、本事例とは異なり、企業自らが管理するWEB媒体に掲示板機能を持たせたり、会員制コミュニティサイトを設けるなどして、積極的にユーザからの意見表明(WEB掲示板への投稿等)を推奨している場面が見受けられます。この場合、企業自らが情報発信の内容を事前チェックできるわけではない以上、どういった意見表明(投稿等)が行われるのか逐一チェックができないのが実情です。この結果、企業自らが情報発信はしていなくても、WEB管理者であることを理由に情報発信者とみなされ、名誉毀損表現に加担したかの如く責任追及を受ける現象が起こっています。

したがって、自らの情報発信内容について注意を払うことはもちろんですが、企業が管理するWEB媒体において、第三者も情報発信できるような場を提供しているのであれば、当該第三者の情報発信についてもできる限り関心を払う必要があるというのが、インターネット社会における情報発信の留意点となります。

では、具体的には書き込まれた内容について、例えば、名誉毀損的な内容であったという場合にどういった対処をするべきでしょうか。まず何より知っておく必要があるのはプロバイダ責任制限法の知識です。なお、電気通信事業者ではない一般的な企業・事業者であっても、WEB上の掲示板やコミュニティサイトの管理者はプロバイダ責任制限法が適用されます。

 

【情報を放置した場合とプロバイダ責任制限法】

①削除が技術的に可能であり、かつ情報の流通によって権利が侵害されていることを知っていた場合。

②削除が技術的に可能であり、かつ情報の流通を知っていることに加えて情報の流通による権利侵害を知ることができたと認めるに足りる相当の理由がある場合。

③事業者が情報の発信者である場合。

以上のいずれかに該当する場合には、名誉毀損となるような書き込み情報を放置したことによって、企業・事業者は被害者に対して損害賠償責任を負うことになります。つまり逆を言えば、①から③のいずれにも該当しない場合には、責任を免れることができることになります。

 

では、被害者から申告があれば何でもかんでも削除すればよいのでしょうか。書き込みを推奨している以上、安易に削除することは、今度は書込者からクレームを受ける可能性が出てきます。この場合を想定して、プロバイダ責任制限法は次のような規定を設けています。

 

【情報を削除した場合とプロバイダ責任制限法】

①必要な限度での削除であり、かつ情報の流通により他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由がある場合

②必要な限度での削除であり、かつ権利を侵害されたとする者から申し出があった場合に、発信者に対する意見照会 (削除に同意するかどうか発信者に尋ねるもの)を行ったが、発信者が当該照会を受けた日から7日を経過しても、発信者から削除に同意しない旨の申出がなかった場合

以上のいずれかに該当する場合には、名誉毀損となるような情報を書き込んだ者に対して責任を負わないということになります。

企業のWEB管理者としても、24時間365日監視することは不可能でしょうし、法もそこまでは求めていません。ただ、少なくとも、名誉毀損を受けたとする被害申告があった場合、上記プロバイダ責任制限法の内容を踏まえて、企業が責任を負わないような形で削除するか否かの判断を行う必要があります。なお、判断基準の一助として、一般社団法人テレコムサービス協会等が名誉毀損のみならず、プライバシー、著作権、商標権といった権利侵害申告に対して、どういった基準で削除判断を行うべきかガイドラインを公表しています。WEB管理者はこういったガイドラインを押さえておいた方が望ましいです。

 

 

(参考)

プロバイダ責任制限法 関連情報WEBサイト

 

 

2.信用毀損

 

(1)信用の意義

信用毀損における信用とは、伝統的には支払能力や支払意思に対する社会的信頼と定義され、名誉との区別がされていました。しかし、最近では、「販売される商品の品質に対する社会的信頼」を含むとされるなど、伝統的理解の枠組みより拡大されて解釈される傾向があり、信用と名誉の区分が曖昧になっています。そのため、民事上の損害賠償請求を行う場合には、侵害された法的利益について、「名誉及び信用」と一括りにされていることもあります。

 

(2)インターネット社会における信用毀損

企業・事業者が組織として、他社の信用を毀損するような情報発信を行うことは希だと思われますが、インターネット社会により情報発信が容易になるにつれて、企業に属する従業員や取引先などが、競業他社を誹謗中傷する情報発信を行うことで、意図せず信用毀損行為に加担してしまっている場合が増えています。従業員による情報発信のみならず、場合によっては取引先からの情報発信についても民法第715条に基づく使用者責任という民事上の損害賠償責任を負わされるリスクがあることから、企業・事業者としては、従業員等による情報発信についても注意を払う必要があります。

 

(3)不正競争防止法が定める信用毀損行為

信用毀損については、刑法第233条に該当すれば信用毀損罪として処罰されます。また、民法第709条に基づく不法行為による損害賠償請求という民事上の損害賠償請求も当然考えられます。さらに、企業取引という観点からは、不正競争防止法が禁止する信用毀損についても押さえておく必要があります。なぜならば、不正競争防止法上の信用毀損行為に該当した場合、損害賠償請求のみならず信用回復措置請求(謝罪広告など)が認められる場合があり、救済方法が拡大されているからです。

 

不正競争防止法第2条第1項第14号

競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為

 

民法上の信用毀損との違いは「競争関係」という要件になります。ただ、この競争関係については、まさしく市場を争う同業他社との関係を指すわけではありません。業種が異なっていても対象顧客が重複する場合(電化商品のメーカーと他社メーカーを取り扱っている販売店であれば、電化商品の顧客は必然的に重複する場合など)であれば「競争関係」にあると判断されます。

不正競争防止法上の信用毀損が特に問題になってくるのは、比較広告の場合、おとり広告の場合、そして知的財産権侵害の警告の場合となります。比較広告とおとり広告については、景品表示法が関係してきますので、ここでは、知的財産権侵害の警告に触れておきます。

さて、知的財産権侵害の警告ですが、例えば、特許権等の権利者が他人の製品を侵害品であると公表したものの、後日その製品が非侵害品であることが判明したり、その特許等が無効とされた場合といったものが典型例となります。この場合、結果的には、知的財産権を侵害していないのに侵害しているという虚偽の事実を流布し、他人の営業上の信用を害したことになるので、不正競争防止法上の信用毀損行為に該当するということになります。自社が権利化をしている知的財産権を侵害するかのような他社行為については、思わず取引先等に対して、「他社商品は当社の特許権を侵害している」と言いたくなりますが、特許権侵害が成立するか否かは非常に難しい判断であり、専門家でも意見が割れてしまうこともあり得ます。侵害可能性のある本人に対して警告することは当然ですが、侵害可能性のある者と取引を行っている取引先に自社の正当性を訴求するにしても、表現に気を配らないことには、不正競争防止法によってかえって足下をすくわれてしまいかねませんので、注意が必要です。

 

 

3.プライバシー侵害

 

(1)IT社会における情報発信とプライバシー

企業・事業者が個人のプライバシーを意図せず晒してしまうのは、情報漏洩の場合が多いと考えられます。しかし、例えば、企業が管理運営するWEB(掲示板やコミュニティサイトなど)上において、ユーザが書き込んだ情報を掲載し続けることで、企業・事業者もプライバシー侵害を行っていると同列に扱われる場合があります。

したがって、前述の名誉毀損の項目でも述べたとおり、プライバシーを侵害する情報が掲載された場合の対処法については十分に確認を行っておく必要があります。特に、名誉毀損の場合と比べて、氏名、年齢、電話番号等のプライバシー情報は不正利用されやすい傾向にありますし、具体的な二次被害が生じる可能性が高い類型といえます。その意味で、名誉毀損の場合よりも、削除する必要性がより高いと認識した上で対処した方がよいといえます。

 

(2)プライバシー概念の拡大

企業が取得したプライバシー情報を含むパーソナルデータを第三者へ発信(提供)することについては、たとえ個人情報保護法などの法律に違反しない場合があるとはいえ、まだまだユーザの不信感や抵抗が大きいことも事実です。

プライバシー概念については、伝統的には、①公開された内容が、私生活上の事実又は事実らしく受け止められるおそれのある事柄であること、②一般人の感受性を基準に、当該私人の立場に立った場合、公開を欲しないであろう事柄であること。換言すれば、一般人の感覚を基準として、公開されることによって心理的な負担、不安を覚えるであろうと認められる事柄であること、③一般の人々にいまだ知られていない事柄であることという三要件で判断されると言われていました。しかし、最近では、「他人に知られたくない私的な事柄をみだりに公開されること」と拡大される傾向があります。まだ流動的とはいえ、個人識別性がない情報であってもプライバシー侵害と判断される可能性もあり得る以上、安易なプライバシー情報の発信は避けるべきでしょう。

 

 

4.肖像権侵害

 

(1)肖像権とは

肖像権については明文上の規定はありませんが、裁判例上認められる法的利益です。この肖像権については、一般的には、「人が、みだりに自己の容貌等を撮影されないことについて法律上保護されるべき人格的利益」と定義されています。

一昔前であれば、他人を撮影することが難しく(堂々とカメラを構えて撮影すること自体が憚られた)、撮影した写真等を公開する(情報発信する)機会や場所が与えられていませんでした。このため、肖像権はもともと対公権力(警察など)との関係で議論がスタートしたのですが、最近のIT機器の進化によって、民事上の問題として認識されることが多くなってきています。例えば、スマートフォンのカメラ機能等を使って簡単に撮影することができるようになったがために、撮影すること自体が違法ではないかという問題、撮影した画像・動画をSNS等にアップロードして他人の容貌を公開することは違法ではないか、という問題です。

 

(2)撮影に関する問題

全ての撮影はダメとは言えませんし、さりとてTPOを問わず全ての撮影がOKとするわけにはいきませんので、結局のところは比較考量という考え方になってしまいます。ちなみに、裁判所の基本的な発想としては、「①被撮影者の社会的地位、②撮影された被撮影者の活動内容、③撮影の場所、④撮影の目的、⑤撮影の態様、⑥撮影の必要性、等を総合考慮して、被撮影者の人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決する」といった点を考慮しながら判断しているようです。

 

(3)公開に関する問題

肖像権は思った以上に強力な権利と考えた方がよく、新聞等の時事報道目的以外では、撮影対象となった第三者(肖像権者)の承諾が無い限り、撮影された情報を発信すること(公開すること)は違法になると考えるべきです。

また、肖像権者より同意を得たとしても、例えば、どういった媒体に公開するのか、どういった目的で公開するのか等について明示的又は黙示的に範囲が限定されているのであれば、その範囲を超えて公開することは違法ということになります。

 

 

5.著作権

 

(1)所有権と著作権の混同

例えば、雑誌等でたまたま自社商品・サービスについて特集記事が掲載されていた場合、企業としては当該雑誌に掲載されている記事内容等を利用した広報活動を行いたいと考えることもあるかと思います。

こういった場合に時々誤解されている企業担当者がいるのですが、雑誌を購入した以上、雑誌の所有権は自らにあるのだから特集記事の内容について自由に使用してよいという訳ではありません。たしかに、雑誌という紙媒体については所有権を有しています。しかし、紙媒体に記載されている内容は所有権の問題ではなく、著作権法という別の権利を想定する必要があります。したがって、雑誌を購入したから、雑誌の掲載内容=著作物を自由に使用してよいという結輪にはなりません。

 

(2)引用

上記(1)で記載した通り、他人の著作物を無断で使用した場合、原則として著作権侵害となります。もっとも、著作権法では例外事由についても定めがあります。この点、企業広報の場面で検討できる制度と言えば「引用」該当性となります。なお、先に触れておきますが、例外制度として「私的使用のための複製」を指摘される方がいます。しかし、事業のために著作物を用いる場合、「私的使用のための複製」は該当しないと考えられていますので、注意が必要です。

さて、日本語としてのおおよそのイメージはつくかと思いますが、引用とは「報道、批評、研究等の目的で他人の著作物の全部又は一部を自己の著作物中に採録すること」という定義が裁判例では用いられています。著作権法では、引用について定義規定は無く、引用の要件について規定されています。

 

著作権法第32条第1項

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

 

著作権法第48条

次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。

一  第三十二条…の規定により著作物を複製する場合

二  (省略)

三  第三十二条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合…において、その出所を明示する慣行があるとき。

2  前項の出所の明示に当たっては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。

3  第四十三条の規定により著作物を翻訳し、編曲し、変形し、又は翻案して利用する場合には、前二項の規定の例により、その著作物の出所を明示しなければならない。

 

著作権法第48条は出所を明示することを義務づけているだけですので、特に大きな問題にはなりません。問題は著作権法第32条第1項に定める「公正な慣行」、「引用の目的上正当な範囲内で行われること」の具体的な内容です。これについては、公正な慣行=明瞭区別性(引用して利用する側の著作物と引用される側の著作物とを明瞭に区別して認識できること)、引用の目的上正当な範囲内=主従関係(引用して利用する側の著作物と引用される側の著作物との間に主従関係があること)と一般的には解釈されています。

したがって、出所を明示しながら引用の要件を充足する場合には、著作物を正当に利用することができることになります。

 

 

 

<2021年9月執筆>

※上記記載事項は弁護士湯原伸一の個人的見解をまとめたものです。今後の社会事情の変動や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。

 

 

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弁護士 湯原伸一

「リーガルブレスD法律事務所」の代表弁護士。IT法務、フランチャイズ法務、労働法務、広告など販促法務、債権回収などの企業法務、顧問弁護士業務を得意とする。 1999年、同志社大学大学院法学研究科私法学専攻課に在学中に司法試験に合格し、2001年大阪弁護士会に登録し、弁護士活動を開始する。中小企業の現状に対し、「法の恩恵(=Legal Bless)を直接届けたい(=Direct delivery)」という思いから、2012年リーガルブレスD法律事務所を開設した。現在では、100社以上の顧問契約実績を持ち、日々中小企業向けの法務サービスを展開している。

 

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