長期の利用を前提とした契約を途中で解消する場合の注意点(ショート記事)

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企業法務に関する相談を受けていると、ある程度似通ったご相談をお受けすることがあります。

このWEBサイトを訪問されている方におかれまして、ご参考までの情報共有として、以下記載します。

 

 

ご相談

長期の利用を前提とした契約を締結していたのですが、都合により契約を解消したいと考えています。

解消するに際して、気を付けておくべき事項はあるでしょうか。

 

回答

長期の利用を前提とした契約には、例えば建物や土地の賃貸借、リース契約、インターネット上のサービス利用契約などが考えられますが、商品売買を行う際の基本契約も長期利用という点では範疇に含まれます。

このような契約を途中で解消しようとする場合、押さえておきたいポイントは次の3点となります。

①解消する必要性があるのか

契約を解消したいのに解消する必要性があるのか…という問いは矛盾すると思われるかもしれません。しかし、例えば、商品売買における基本契約であれば、個別契約としての発注を行わない限り、何らの支払い義務が生じないことが通常です。

そうであれば、トラブルになりかねない契約解消を申込むよりも、何らかの注文を行わず契約期間が満了するまで待つ(更新しない)という対策を取ることも一案となります。

なお、基本契約において、金銭支払い義務以外の義務が課せられている場合、果たして義務が課せられたままでよいのかという点で検討が必要となることに注意が必要です。

②中途解約は可能か

契約を締結したままの状態では、金銭支払いを含め義務負担があり、当該義務の負担から解放されたいと考える場合、中途解約を検討することになります。

例えば、不動産賃貸借契約の場合、1~3ヶ月前の予告期間を設けることで中途解約可能と定められていることが通常です。この場合、今日明日での中途解約はできないことになります。一方で、リース契約の場合、中途解約自体が禁止されていることが通常です。この場合、残念ながら中途解約はできないという結論になります。

インターネット上のサービス利用契約の場合、一定期間内は中途解約禁止と定められていることが多いようです。この場合、当該期間内は中途解約ができませんので、当該期間経過後又は本来の契約期間満了を待って契約を終了させることになります。

なお、契約によっては中途解約に関する規定が定められていない場合もあります。この場合、契約の法的性質を検証する必要があるのですが、委任(準委任)や請負契約の場合、法律上いつでも中途解約可能とされていますので、それに従って処理することになります。

③契約を解消することで悪影響は生じないか

例えば、不動産賃貸借契約の場合、予告期間を設けずに即時解約するのであれば、予告期間相当額の賃料を違約金として支払う義務が定められていることが通常です。この場合、この違約金の負担は免れなくなります。なお、これ以外にも高率の控除(不動淡賃貸借でいう敷引きなど)が適用される等のペナルティが定められていることもあります。

また、インターネット上のサービス契約の一部では、中途解約自体は可能だが、残存期間分に相当する利用料等を違約金として支払うよう定めていることが通常です。利用しないのに利用料等を支払うのは納得がいかないと考えられるかもしれませんが、契約書に書いてある以上、原則有効なものとして受け入れざるを得ないと考えられます。

なお、中途解約に関する規定がない委任(準委任)や請負契約の場合、いつでも中途解約可能ですが、これにより相手に損害が生じた場合、その損害を賠償する義務が法律上定められています。具体的な損害額はケースバイケースの判断になるとはいえ、全くリスクゼロで中途解約が可能なわけではないことに注意が必要です。

 

もっと詳細を知りたい方は、次の記事をご参照ください。

 

継続的な契約関係を解消する場合の注意点について、弁護士が解説!

 

 

 

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弁護士 湯原伸一

「リーガルブレスD法律事務所」の代表弁護士。IT法務、フランチャイズ法務、労働法務、広告など販促法務、債権回収などの企業法務、顧問弁護士業務を得意とする。 1999年、同志社大学大学院法学研究科私法学専攻課に在学中に司法試験に合格し、2001年大阪弁護士会に登録し、弁護士活動を開始する。中小企業の現状に対し、「法の恩恵(=Legal Bless)を直接届けたい(=Direct delivery)」という思いから、2012年リーガルブレスD法律事務所を開設した。現在では、100社以上の顧問契約実績を持ち、日々中小企業向けの法務サービスを展開している。

 

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