ご相談
突発的な人員不足が生じたため、スポットワークマッチングアプリを用いて1日だけ人員採用を行うことを考えている。
日雇いについては何らかの法規制があったと記憶しているが、問題が生じないか。
結論
日雇いが規制されているのは労働者派遣です。
貴社が直接雇用する形態である限り、日雇いであっても現行法上は問題となりません。
ただし、直接雇用する以上、各種の労働法規の適用対象となることに注意が必要です。
解説
日雇い労働については、求人者による労務管理が疎かになりがちです。
例えば、次のような点について法律違反となっていないか注意を要します。
①労働条件の明示義務
いわゆる労働条件通知書の交付が必要となります。なお、労働者が希望した場合は電磁的手段による交付が認められていますが、記載するべき内容は書面の場合と同様です。
記載漏れ等があった場合、労働基準法違反なります。
②就業規則の適用可能性
就業規則の対象となる労働者が、正規・非正規を問わない形式になっている場合、日雇い労働者であっても就業規則の適用対象となります。
正社員を念頭に置いた福利厚生の適用を日雇い労働者が求めてきた場合、拒絶することができないことに注意を要します。
③本人確認
本人確認はプラットフォーム側にお任せで、求人者は特に行っていない場合が大半だと思われます。ただ、例えば、運転免許必須の業務であれば、なりすましや替え玉防止の観点から、少なくとも業務従事前に現場で本人確認を行うべきです。
④求職者が外国人である場合
在留資格を有すること、従事予定の業務につき就労可能であること、日本語を一定程度理解できることなどを事前に確認することが必須となります。
確認不十分な場合、不法就労助長罪や、事故が発生した場合の安全配慮義務違反に問われるなどのリスクが生じることになります。
⑤労働時間の把握
求職者が複数の事業所で雇用されている場合(副業の場合を含む)、労働時間を通算した結果、法定労働時間を超えて業務従事させたことにならないか、割増賃金の支払い義務を負担することにならないかが問題となります。
自社での業務従事時間だけで、法定労働時間内の判断を行うわけではないことに注意を要します。
⑥源泉徴収の有無
一般的には源泉徴収の対象にはならないことが多いのですが、1日に支給される賃金が一定額を超える場合は対象となります。顧問税理士などに確認しておくことが無難です。
⑦労災保険の適用
日雇い労働者であっても、労災保険の適用対象となります。
労災事故があったにもかかわらず、必要な報告や保険申請手続きに協力しなかった場合、労災隠しと指摘され、制裁対象となるリスクがあることに注意を要します。
⑧秘密保持義務・競業禁止義務
実際のところ、秘密保持義務や競業禁止義務を負担させることは難しいと言わざるを得ません(特に競業禁止義務については、法的には無効と判断される可能性が極めて高いです)。
機密事項の管理は、求人者側で責任をもって行う必要があります。
なお、厚生労働省は次のような資料を公開していますので、あわせてご参照ください。
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弁護士 湯原伸一
































